借金を抱えている人は会社員や主婦だけでなく、個人事業主や自営業者なども含まれます。
個人事業主や自営業者は、会社員に比べると収入のシステムが違ってきます。
また、借金の金額も大きく違うこともあるので、債務整理をする際には注意しなければなりません。
個人事業主・自営業者が債務整理をする際には、「売掛金」が大きな問題になります。
・売掛金は財産として扱われる
もし民事再生や自己破産を選択するということになった場合に、何が財産に含まれるのかを把握しておくことは非常に重要です。
まず、売掛金が発生している場合には、それを財産として扱うかどうかという問題が発生します。
結論から言えば、売掛金は財産扱いになります。
自己破産する場合には、債務者の財産は全て手放さなければなりません。
つまり、売掛金も財産扱いになるので、債務者はそれを所持したままではいられないということです。
売掛金がある状態で自己破産をすると、売掛金は破産管財人が回収していくことになります。
破産管財人とは、裁判所からの破産手続開始決定が下りた場合に、裁判所が選任する弁護士のことです。
選任された破産管財人は、債務者の財産について管理・調査・評価・換価・処分を行い、各債権者の債権額に応じて配当を行います。
・民事再生で注意してほしい売掛金の問題
自己破産であればそれで終わりですが、もし民事再生を利用するということになれば売掛金で別の問題が生じます。
それは、借金の返済額がいくらになるのかという問題です。
民事再生を選択して債務整理を行う場合に、もし売掛金が発生しているというのであれば、借金の返済額に注意しましょう。
ここで、民事再生をすることになったAさんが、1000万円の借金を抱えていると仮定して考えてみます。
実は、このAさんは、200万円の売掛金も持っていました。
民事再生で返済する金額は、100万円又は借金の金額の5分の1のうち、どちらか高い方と定められています。
つまり、このケースでは、1000万円の借金があれば200万円を返済することになるということです。
もし売掛金が発生していないのであれば、Aさんは200万円を3年間かけて返済すれば良いということになります。
しかし、Aさんには250万円の売掛金が発生していたことを忘れてはいけません。
売掛金があることから、Aさんの返済額は200万円から250万円へと変化してしまいます。
以上から分かるように、売掛金があるのとないのでは、このような差が生まれることがあるのです。
そのため、民事再生をする時には、このようなこともあるということを忘れないようにしましょう。