奨学金の返還で困ったら債務整理はできるのか?

親の収入が少なく、奨学金を借りながら大学へ行っているという学生も多くなってきています。

奨学金を借りることができれば学費などの自己負担を少し軽くすることができますが、その代わりに、将来に渡って借金を背負うということにもなってしまいます。

学生の時から背負うことになった奨学金は、卒業後の生活を苦しめるかもしれません。

もしすぐに就職できなかったり、就職しても収入が少なかったりしたら、返済が困難になってしまうのです。

奨学金も借金ですから、他の借金と同様に債務整理をして救済してもらうことができます。

しかし、普通の借金に比べると、簡単には行かないのが奨学金の特徴です。

ここでは、奨学金を借りている時の債務整理について、いくつかの方法に絞って解説していきます。

・猶予や減額などを申請して対応する

奨学金は債務整理で対処することが可能ですが、実際に債務整理をしようとすると、弁護士や裁判所などが絡んできて面倒だという人もいるでしょう。

そのため、まずは、奨学金で困っている時に債務整理以外で対処することができないのかを見ていきます。

奨学金は様々な所から借りることができますが、よく知られているのは、公的な国の制度である「日本学生支援機構」の奨学金ではないでしょうか。

日本学生支援機構の奨学金は、9か月滞納することがあれば、裁判所に支払い督促を起こして一括で繰上げ請求してくるそうです。

この時に弁護士に依頼できれば良いですが、そのまま自分で対処しようとすると、こちらに不利な条件での和解になることもあります。

そのため、返済が難しいのであれば、早めの対処が必要なのです。

日本学生支援機構では、「返済の猶予・減額・免除の制度」が用意されています。

そのため、訴訟を提起される前に申請して返済を待ってもらうなどの対策を取りましょう。

・奨学金以外の債務を整理する方法

では、債務整理をして対処するということになれば、どのような方法で解決することができるのでしょうか。

まずは、任意整理で解決するという方法が挙げられます。

任意整理は、いくつかの金融機関から借り入れをしている場合に、一部だけを選んで整理するということができる方法です。

奨学金の他にも借金があって、その負担を軽減できれば奨学金を返せるというのであれば、奨学金以外の借金を任意整理すると良いでしょう。

一応、奨学金も任意整理することができます。

しかし、将来の利息をカットして、原則として3年での返済になってしまいます。

そのため、他に借金があるのであれば奨学金は整理しない方が、返済額が増えて負担になることを防ぐことができます。

また、奨学金を借りたことがある人は分かると思いますが、借りる際には連帯保証人を用意しなければなりません。

連帯保証人がいるということは、もし債務者が返済できなければ、債権者は保証人に請求するということです。

そのため、保証人を付けるということは、自分のせいで迷惑をかけてしまうことも考えられます。

任意整理で奨学金を債務整理の対象にしなければ、そのまま返済を続ければ良いので何も問題は起こりません。

つまり、保証人に迷惑はかからないということです。

もし保証人のことも考えるのであれば、任意整理は非常に良い方法ではないでしょうか。

このように、奨学金で困っている時に任意整理をするのであれば、どの債務を整理するかをきちんと考えることが必要です。

・連帯保証人のことも考えて決断すること

次に、自己破産や民事再生をした場合の奨学金について見ていきます。

自己破産と民事再生は、任意整理とは大きく違って整理する対象となる債務を選ぶことができません。

つまり、奨学金を含めた全ての借金を整理しなければならないということです。

民事再生を選択すると、借金を大幅に減額することができるので、返済時の負担を軽くすることができます。

そして、自己破産を選択すると、全ての借金を消してなくすることができます。

これだけを見れば、債務者にとっては負担が軽くなるのでとても嬉しいことだと思います。

しかし、奨学金には連帯保証人がいるということを忘れてはいけません。

債務者が民事再生又は自己破産で債務整理をすると、その減らした借金は保証人に請求されることになるのです。

そのため、もし保証人に債務整理をすることを伝えていなければ、急に奨学金を貸している債権者から保証人に連絡が行くことになります。

保証人は急に連絡が来て驚くと思いますが、今後は自分が債権者に払っていかなければなりません。

このような問題が起こるため、民事再生や自己破産を利用して債務整理をする時には、連帯保証人のことも考えて決断することが必要です。

しかし、連帯保証人に迷惑がかかることは確かですが、だからと言って迷惑をかけっぱなしになるということはありません。

もし、債務者が今後それだけの金額を用意できるようになれば、直接連帯保証人に返していくということが可能です。

こうして対応することも認められているので、もし連帯保証人が許してくれるのであれば、民事再生・自己破産をして後から少しずつ返すこともできます。